知らなかった事実 アスベスト

http://www.asahi.com/national/update/0629/TKY200506290283.html

大手機械メーカー「クボタ」(大阪市)の旧神崎工場(兵庫県尼崎市)の従業員や出入り業者計78人が、アスベスト(石綿)が原因で胸膜や腹膜に起きるがん「中皮腫(ちゅうひしゅ)」などで死亡していることがわかった。工場では54〜75年、毒性の強い青石綿を大量に使っており、作業中の吸引が原因とみられる。工場の近くに住んでいた住民5人も中皮腫を発病、2人は死亡しており、同社は29日、治療中の3人に見舞金を出すことを明らかにした。 
クボタによると、旧神崎工場は、年間540〜7669トンの青石綿を使い、石綿で強度をあげた水道管をつくっていた。当時は危険性に関する認識はなかったという。70年代初頭から有害性が問題となり、同社は75年に青石綿の使用をやめた。 
同工場では79年に2人が石綿じん肺で死亡したのをはじめ、これまでに78人(うち出入り業者4人)が石綿関連疾患で亡くなった。水道管製造に携わった、在籍が1年以上の従業員は626人で、1割以上がこれらの病気で死亡している。死亡者のうち42人が中皮腫だった。現在、18人の退職者が治療を受けている。78人はほとんどが労災認定されている。 
一方、住民被害については今年4月、3人がクボタに健康異常を訴えて初めて発覚した。住民の相談に乗っている民間の「関西労働者安全センター」(大阪市)によると、3人は50〜70代の男性1人と女性2人で、15年以上、同工場の半径1キロ以内に住んでいた。 
見舞金は1人あたり200万円。クボタは「発病について、当社の法的責任は現時点では不明と考えているが、中皮腫は石綿を吸ったことが原因で起きるとされ、工場との関連性を正面から否定できない気持ちもある。長年、操業をしてきた地域の住民が苦しんでいる現実に対し、支出を決めた」と話している。 
亡くなった患者への弔慰金支出についても内規を決めており、相談があれば検討するという。 
神崎工場は98年に撤去が始まり、現在は同社阪神事業所となっている。 
同社は同工場以外に全国4カ所の工場で石綿を使っていたが、いずれも毒性が比較的弱い白石綿のみを使っていた。これらの工場で働き、石綿疾患で死亡した元従業員は1人という。 

また企業のずさん管理が発覚。まさか地元でこんな事実が発覚するとは。。JR尼崎駅から東へ少し行ったところにあるが、線路沿いにあるので車窓からもわかる。その周辺に長く在住している人は今日このニュースを聞いて、この先身体が心配になるのでは?「中皮腫」は潜伏期間が20〜40年でその後突然発症するらしい。